クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門 (ファミ通文庫)
- 作者: 石川博品,一真
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2011/11/30
- メディア: 文庫
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▼▼滅亡する将来の日本を救うために、ひとりのクズが頑張って、滅ぼしの起点となる三姉妹を攻略しようとする、なんて物語で、繰り返し繰り返しのデデーンアウトー!が前半の見所なのだけど、実際に特筆すべきところかと言われるとだいぶ微妙だし、ストーリーテラー的なの巧さや会話の妙味あたりをむしろ特筆してみせたいとも思うのだけど、巧く説明もできないなー。笑い系の話ではあった。笑えた。言語感覚とツッコミの味を楽しむ型のお笑い系物語と言える。好き嫌いは分かれそうだ。派手な展開には欠ける。恋愛入門要素がほんとうに見出せるかは不明だけど、丁寧かつ地道に実践的なツボを衝いているようにも思えた。おもしろかったなー。おもしろかったし変な話である。
「記憶を消去する際にそれ以外の記憶も一時間から十年という単位で消えてしまうことがあります。ご了承くださいナ」
「ご了承できねーよ! 誤差デカすぎんだろ!」
それならひと思いに動物かクルクルパーににしちゃってほしい。
カマタリさんは無邪気な笑みを浮かべた。
「では協力してくださるのですナ」
「しょうがねーだろ! そんなヤクザなやり方、断れねーよ!」
「ヤクザではありませんヨ。ちゃんとした政府の機関です。ただし曽我野三姉妹の父親は実業家の皮をかぶったヤクザですがナ」
「もうヤダァー」
──P.29
「どうしたのアンタ! 学校で何かあったの?」
としきりに俺のクルクルパーになった原因を聞きだそうとする母に対して、
「モテたいんや!」
とだけ答えつづけた結果、五分後には万券を手に部屋への凱旋を果たすことができた。
「イエーイ、一〇〇〇〇円(マンコロ)ゲット! ちょろいもんだぜ」
「クズすぎてことばも出ませんナ」
──P.90
《83点》
[クズすぎるせいかこだわりすらなくて結果巧く回る、のかな?][ナ][慣れてしまえ、自然体で、あたりがツボかな][派手な何かがあって劇的に変わるわけではなく][セーブポイント][強くてニューゲーム][時空のはざま][桁外れ][ドイツ映画][パンク][シド][ありがとう、気をつけて][からあげ]