世界は称賛に値する

日記を書きます

いい不公平と悪い不公平と好き嫌いと恋

「いわゆる恋とかで、だれか特定の人を好きになることって、不公平なように感じるのですが、どう思われますか?」
http://theinterviews.jp/meltylove/1851287

 この質問について、どの段階でどう感じているのか、みたいなレベルでまず考えていて、わりといろいろ思いついてしまったので、ああコレほんと難しいな……、って思ってしまい、けっこう筆が止まっていたのですが、いいかげん考えます。この質問は好きです。
 じぶんに関して言えば、「不公平だと感じてるところはもちろんあるけれど、重大事や禁忌、重荷みたいに思ったり思えたりしたことはあまりなくて、ただでも、“だってしょうがないじゃんそういうものだもの”って思っているわけではまったくない」あたりが、ぼんやりとしつつも、思っていることの最初の段階かな、って思います。
 うーん、整理整頓みたく考えてても長くなるだけでまとまらなくなりそうだなー。ここまで書いて思いついたことがあるので、とりあえずじぶんの話で答えちゃいましょう。
 この質問、じぶんにとっては、たぶん経験の問題なんでしょうけど、「恋」の話に聞こえちゃうんですよね。
「恋ってズルくないですか?」って質問だと考えると、あ、なんかそれわかる、って思っちゃうところがあります。
 恋を前提にした「好き」は、なんか、どうにもならなさ、振り回されっぷり、衝動のひどさ、みたいなものを「デフォルトとして背負わせて」しまっているところがあって、そのせいで、うわー、なんだあのズルい感情は……、恋は盲目的なかんじでなんでもアリにしやがって……、みたいなことを一緒に感じてしまうところがあるわけです。そのせいで、ずるさ、って言葉と相性がよくて、つまり、不公平も近所に思えるんですよね。
 なので、恋以外の普通の好き、は──楽しくてよく遊ぶ友達、とか、話してて楽しいひと、とか、なんかこのひと好きー、とか、尊敬!とか、付き合う(恋成分薄め)とか──は、それ不公平だよ! って糾弾するつもりになれないところがありますね……。糾弾するほどの不公平じゃない、って思ってしまってる気持ちがあるのかな。どんだけ恋を特別視してるんだ、とは思いますが……。
 まあ、不公平でもいいじゃないですか、とかは言いたくないんですよね。原理的にそういうものでしょう(好きって気持ちがそもそも不公平をはらんでるわけで)……、みたいな答えが、一番したくないところにあって、だからといって、代わりに何を言えるかはわからないんですが……、とはいえ、不公平はやっぱりだめですなー、イマイチだよあいつは、って考えも好きじゃないんですよね。うん。
 いい不公平と悪い不公平がやっぱりあると思います。好きって気持ちの中にもやっぱり両方の「不公平」があると思うんですよね。んで、現在悪い不公平が沢山「見え」てて、断罪したり排除したり修正したりしていきたい、と感じるなら、それはとてもよいと思います。むしろじぶんはこの質問を通してその両者を感じるようになってて、調整していきたいなーと感じてます。でも──なので──だからこそ、見極めが重要になってきて、つまり考えることが重要になってくる……、みたいな話にまあなっちゃうわけですけど……、ありがちな気はしますけど……、でもまあやっぱりここなのかなあ。
 やっぱりまあ、気に食わないところばっかり見えてしまうものであっても、だからって即座に全撤廃を決めるのはやりすぎか……、っていう前提で問題設定しておくべきなのかなと。だから考えていこうと。
 誠実に言うなら、そうやって日々考えていけばいろいろやっぱり洗練されていくし、ある程度うまくいくだろうし、まあ少しのズレや失敗に不満を抱こうと、技術不足や才能不足があろうと、最後は時間切れで死んでしまうわけで、そこまで行っちゃえばあとはまあ関係ないしね、みたいな姑息なことは、考えてしまってる気はしますけど。
 うん、まあ、思惑としてはこんな話じゃなかったかもしれませんが、こんな感じのことを考えました。