【1】早大院生と考えた文章がうまくなる13の秘訣(近藤勝重)
- 作者: 近藤勝重
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/01/25
- メディア: 単行本
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とりあえず一つの文章法を述べておきましょう。作文などで「思ったことを書けばいいんだ」といったことがよく言われます。ですが、思ったことというのは言葉にしづらいものなのです。思ったことではなく、思い出すこととか、思いつくことであったらどうでしょうか。思い出すことや思いつくことは体験の中にありますから、具体的事柄として描写できます。そうして書き進めながら心中にわいてくる思いの言語化に努める。そういう書き方が賢明だと思います。
▼▼早稲田大学院での講義をまとめている。著者はジャーナリストである。軽く質疑応答的コラムを読んでみて、異質だなあ、とおもしろくなったので、買った。具体的な話が多い。文例も多く、こういう著者のこういう文章があって、という話も多い。以前は「読書量に裏打ちされている凄み」が理解できなかったけれど、最近は、素直に、おおお、って思える。沢山の情報を丁寧に編み上げる巧みな手腕の、稀少さと困難さがわかる。だからといって、頼っている印象が全然ないところが格別よい、と称賛しきりなのであった。