世界は称賛に値する

日記を書きます

池袋とらのあなで買った

「1」君が僕を

君が僕を~どうして空は青いの?~ (ガガガ文庫)

君が僕を~どうして空は青いの?~ (ガガガ文庫)

 昨日、そのとき、私は娘と一緒にバスに乗っていた。娘を歯医者に連れていった帰りだった。まだ日の暮れない午後、空席の目立つバスの中、二人掛けのシートに陣取り、娘を窓側に座らせていた。娘は九歳になったばかりだ。動物のあどけなさを日に日に失っていく一方で、人間らしさはまだ猿真似の域を出ない。
 そのとき、娘が私に尋ねた。幼稚な意地悪をしかけるつもりの顔で。
「どうして空は青いの?」
 そのとき、私の心は、二十年以上も昔、中学三年の冬へと飛んだ。

▼▼以前に「すごい」って言葉を読んだことがあって、買おうかなと考えていた。曖昧な言葉になりそうだけど、ライトノベルの好きなところは、厨二病とか中二病と言われるものの中に潜む「真剣さ」を際立たせてくれるところ、って少し思っている。青春小説、学園物、ジュヴナイル、あたりが持ちうる要素が、濃そうで、楽しそうに思えている。

「2」戦う司書と恋する爆弾

戦う司書と恋する爆弾 BOOK1(集英社スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と恋する爆弾 BOOK1(集英社スーパーダッシュ文庫)

「コリオ=トニス」
 と、暗闇の向こうで、誰かが言った。
 コリオ=トニスは顔を上げた。何も見えない。コリオは、意志の床にへばりついた頬を引き剥がした。
 胸が痛み、息をするごとに胸の奥で風が通り抜ける音がした。口の中が熱く、粘膜は乾ききり、下を動かすと口の中で何かが剥がれた。ひどく痛い。だが、そんなことを気に留めている心の余裕はコリオにはなかった。
 どうにかして手を動かして、頬にこびりついたよだれをぬぐおうと、コリオは無駄な努力をした。腕はべとべとに湿った縄で縛られていた。後ろ手に縛られているコリオの手は、仰向けにされた体の下で押しつぶされ、指の一本すら動かなくなっていた。
「コリオ=トニス。人間とは何だ」

▼▼以前買おうと思って買うのを躊躇してしまった小説で、最近評価を改めて見掛けるようになって、高確率で楽しいものだろうな、と思えた、ので買ってみた。思えるだけの強い称賛と形を貰っていたと思う。世界設定や世界観に異端や奇形を感じるのだけど、まあ勝手な想像かな。油断してない人達の話のような想像もできている。好きなものそうだ。