世界は称賛に値する

日記を書きます

四季 秋(森博嗣)

四季 秋 (講談社文庫)

四季 秋 (講談社文庫)

「どうして、どうして、それを言うのが人間」四季はくすっと吹き出し、白い歯を見せた。「可笑しい。本当に、人間って面白いわ。私は、もう皆さんとは違う世界へ旅立っています。この世にはいません。おそらくは、あなた方とお会いすることは、もうないでしょう。ですから、今お話ししたことは、私自身に対する弁解ではありません。強いて言うならば、皆さんの中に存在している真賀田四季を、少しだけ弁護させてもらった。それだけです。つまりそれは、あなた方自身に対する援助、でもあるのです。救済あるいは博愛……、理解の形は何でもけっこうです。ご理解いただけるかしら?」
――P.191