世界は称賛に値する

日記を書きます

人文学と芸術

 人文学には共通する特徴がある。複雑系であり、唯一解がない、という特徴だ。たとえ唯一の答えがあると考えてもそれは神の領域だからね、と言い換えてもいい。要素が複雑すぎて人間の手ではそこまでたどりつけないわけである。つまり私たちにできるのは、最適解を探し求めることだけなのだ。できる限り視野を広げて、見えるものを全部見て、情報を集めて、データを揃えて、そして考えて、自分が最適だと納得できる(無論、他人も納得させられる)エレガントな《解》を考え出すしかない。なんてことを考えていたら不意に、これって芸術に似てるよな、と思ったのだった。唯一の正解なんてものはなく、見つめられるものを全部見つめて、考えられることを全部考えて、自分が美しいと思えるものを作り出すしかない、という特徴。これは芸術も同じように持つ特徴だろうと思う。