世界は称賛に値する

日記を書きます

懐かしのラブソング

▼昔のシングルCDが目についたので、気に入っていたものをいくつか取り出して聞いてみた。たとえば草地章江さんの『知らない』とかだ。誰だ、って感じかもしれないが、声優だ。が、声優としてのこの人の声は、私の記憶にはない。代表作をちょっと調べてみたけれど、見たことのない番組ばかりだった。ハミングバードなんかは当時、かなりの人気だったはずなのだけど、私は見たことがないのである。このCDを買ったきっかけはよく憶えていないのだが、まあラジオででも耳にしたのだろう。そして買いに走った。今こうして聞いてみても、自分の好きな曲調だな、と思わされる。勢いで勝ったのも頷ける。しかし、なんとなく違和感もあるのだった。あの頃の感触とはなんか違うかな、というようなことを思った。その理由を考えた時に思い至ったのは、これは恋愛観が変わったからなのかなー、ということだった。▼この歌はラブソングだ。ラブソングっていうのは、恋愛観によって印象が変わる、と思っている。誰かに惚れている時とそうでない時の『ラブソングの浸透力』の差を考えれば、それは真理とすら言えるだろう。なんて、自分を観察していて思うのだが、実際ほかの人がどうなのかは知らない。でも、ラブソングっていうのは、リアルタイムで誰かに惚れていたりすると、と妙に痛かったり共感できたりするもんだ、と思う。あるいは、恋愛経験の違い、なんかでも変わってくると思う。▼このCDを買った頃の自分と、今の自分では、思考が全然違う。だから、同じ歌詞を聞いても、心に浮かぶ感覚は違うものになる、というのは、全然おかしなことではあるまい。今日この歌を聞いて感じた違和感は、つまりそういうもんなのかな、と思考したのだった。しかし歌自体はやはり好きで、そのへんまで変わってしまっていないのは、わりと幸せだった。好きなものが好きでなくなってしまう。好きなものが減ってしまう、というのが、あまり好きではないのだ。人間には『飽き』や『価値観の変化』があるので、そうなってしまうことはどうしても避けられないわけだけど……。好きと思える、というのが、私の幸福観のひとつであるのは、間違いないところなんだよな。前からそれは、そう思う。