早瀬耕『未必のマクベス』を買って帰った

▼▼勤務の帰りに本屋に寄って、本を買った。数日前に別の本屋をうろうろした時に明らかに感じられた快楽があって、その余韻が残っていたせいだと思う。本屋眺めるのってやはり気持ちよいなあ、そしてまた味わいたいなあ、という欲求からの行動だった。買ったのは早瀬耕『未必のマクベス』で、犯罪小説と恋愛小説、といった言葉に惹かれた。推薦図書の中で知らないやつを買おうという希望もあった。
▼▼ひさしぶりに紙で出来た本を読んでみたらかなり気持ちよかった。重み、手触り、ページめくりという行為、が、非常に素敵だった。電子書籍だとまだなんとなく物足りなく思っているところがあるようだ。特に電子書籍の「ページめくり」に関しては、反応が遅れたり反応しなかったりすることがある、のが、けっこう致命的なのだよな、ということも再確認した。電子書籍の「ページめくり」が、遅延もなく失敗もなく「スライドする手の動きに同調してめくれる」のなら、紙書籍の「ページめくり」と同じように慣れ親しむことができる気はしている。異質さを覚えずに読める気がする。


▼▼なんにせよ、電子書籍のほうが、総括的には好きである。
▼▼邪魔にならないところがよい。沢山持ち歩けるのもよい。買おうと思ったらすぐに買えるのもよい。古い本がわりと売っているのもよい。複数の媒体で読めるところもよい。明るさや色合いを変えられるのもよい。安く買えることがあるのもよい。
▼▼所持できているかどうかの確定具合が曖昧なのが不満だ。販売箇所がたくさんあるところも不満だ。電子化されていない本があるところも不満だ。整理整頓がいまのところけっこうやりづらいのも不満だ。手触りにも不満がある。
▼▼とまあ、いろいろ好きも嫌いもあるわけだけど、部屋を埋め尽くすようであった本が家から減ったのは、明らかに、よい。人生を楽しく健やかにしてくれている。
▼▼結果として、電子書籍が主になって欲しいぞ、とは思っているのだった。欠点も克服して世の中に馴染んで欲しい。よい按配を期待している。


▼▼電子書籍より紙書籍のほうが、結局、人間には馴染むのだ、というような研究結果なんかがもしも出てきてしまったら、だから、困る、と最近は思ったりしている。あくまで紙のほうが付き合いが長いから──長く付き合ってきた世代だから、なんとなく親しみを覚え「ホッとしてしまう」だけで、いずれ、ぼくらは、紙書籍と同様の気持ちよさを電子書籍に対しても覚えられるだろう、というような結果や成果が出てくれないと、困る、という意見持ちなのだ。紙と電子にまったく差異を覚えずにいられるような意識や精神を志望している。早く慣れてよからだ~、なんて思う昨今ではあるのだった。目も手もまだ慣れていない感覚はある。

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)