- 作者: 山内マリコ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/04/25
- メディア: Kindle版
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はみだし者の女の子が田舎町を出ていく話が好きだと言うと、須賀さんは「俺が好きなのは、才能に溢れたアーティストがドラッグに溺れて友だちにも見捨てられて、最後は一人寂しく死んでいく話」と語る。才能があるのに家族に恵まれて仲間からも愛され、そのうえ健康で長生きまでされては困るというわけだ。須賀さんは地元のタウン誌をメインにもう七年ほどのキャリアを積むフリーカメラマンだけど、三十七歳のいまも「リトルモアから写真集出したかった」だの「藤代冥砂が憎くて死にそうだ」だの言っている。私だって田舎町を飛び出したはみだし者の女の子が、都会で居場所を見つけてすんなり幸せになられたんじゃちょっと困る。
──[1]私たちがすごかった栄光の話▼▼読み途中。説明と議論に釣られて読みたくなった。一章を読んでみて、なんとなーく暗澹とした気持ちになった。なんだろ。発生源は曖昧ながら、珍しい感覚で、楽しみながら読んでる。都会と田舎の比較についても暗くなれるけど、都会と田舎を比べんとする心理にも暗くなれる気がする。頭に湧いてくるいろいろが新鮮、って雰囲気を感じた。