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ボードゲーム『アンドールの伝説』で遊んだ

盤遊記

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▼▼ほんとうに面白かった。びっくりするくらい面白かった。強烈な歓びを示すために面白かったを二度繰り返す暴挙に出た。面白かったのだ。今回は『アンドールの伝説』というボードゲームで遊んだ。冒険物、協力型、ファンタジー風味、シナリオゲーム、の噛み合わせでは最高峰の品だろう。2013年ドイツ年間ゲーム大賞・エキスパートゲーム賞、を受賞している。ほかの賞もいろいろ受賞しているようだ。
▼▼戦士・ドワーフ・射手・魔術師――アンドール王国に集う勇者たちを、おのおののプレイヤーが一人選び、次々に起こる事件、および、襲い来る魔物たち、に、一つ一つ対処していく。もたらされる状況を解決していく。皆でアンドール王国を守るのだ。シナリオは一章から五章、の、五つが楽しめる。拡張セットの導入によってさらなる別シナリオも楽しめるようだ。


▼▼説明用(チュートリアル)、という風情もある伝説1で遊んだ。説明書を読まずとも伝説1で遊べば基本的な流れは把握できる――導入のやりやすさが素晴らしい、という評判は以前からよく聞いていた。
▼▼最初のシナリオであるにも関わらず、ほんとうにギリギリだったよー! なんていう話もまた、様々なレビューの中で見かけていた。というのを思い出して笑った。実際、ほんとうに、じぶんたちもギリギリだったからだ。ギリギリだったぜとしか言いようのないほどギリギリだった。あと一手、あれ? これ、このままじゃヤバくないか? と言うのが遅れていたら、詰んでいただろう。敗北まで一直線だった。
▼▼けれど、終わってみると――最初から最後までの流れを通して振り返ってみると、そこまで計算づくだった、そこまで計算されていた、緊張感や危機感まで用意されていたんじゃないか、という雰囲気も、すごく感じるのだよなー。
▼▼突然起こるイベント、いきなり出現するモンスター、などの流れ、そして、それが把握できるタイミング、などなどによって、いや、これ、やばいだろ……、と思わされるタイミングまで――びびるに値する、という気づきに至るための情報量まで、予測され、計算され、準備されていたような、気配――シナリオによってコントロールされていたような匂い、が、強くあるのだった。プレイ中に湧き起こる感情までずっとデザイナーの手の平の上で転がされていたような感覚が、残っている。残っているような雰囲気で、その時の光景を、思い返せるのだ。
▼▼しかもそれが、気持ちよかった。手の平の上で転がされている感がありつつも、楽しかった――手の平の上で転がされている感があったからこそ、楽しかった?
▼▼けどまあ結局のところ勝利できるんでしょ、というような、甘ったるくてヌルい「転がされかた」じゃなかったから、というのが関係してるのかな、って思ったりした。繰り返しになるけどほんとうにギリギリだったのだ。ギリギリだったからこそ、予測や計算の匂いを感じつつも、出し抜いたぜ――読み切ったぜ、なんていう匂いも味わえていて、混ぜ合わせとして、より気持ちよく思えているんじゃないかな、って思ったのだった。
▼▼当然、さらにそれさえも、計算のうえ、手の平のうえ、だったんじゃないか、という疑念さえあって、それもまた、面白さを一味加えているかと思う。
▼▼死ぬほど調整されているであろう緻密さに対する衝撃からの面白さ、と、完璧なる調整によるものなのかもしれないけれど、とにかく、薄氷の上をなんとか歩き切ったことに対しての気持ちよさ。


▼▼盤上におけるモンスターの移動のバランス、調整、に、ひどく感心できたのが、前述した気持ちよさに繋がっていたりもする、かなー。この難易度バランス凄い! この流れのバランス凄い! という気持ちの何割かが、ここから来ている気がする。
▼▼モンスターの移動に関する「準備されかた」が凄かったのである。モンスター移動はマップ上に書かれた矢印に従うので、矢印の位置調整が凄かった、と言える。モンスターが移動しようとした時、移動先に別のモンスターコマが置かれていた場合は、その移動先のモンスターを飛び越えて「スキップ」するようにして次のマスへ移動してしまう、のだけど、この「スキップ」のバランスが、素晴らしかった、のだ。▼▼あれ? コイツ、このまま放置すんの、やばいぞ……、と言いながら、数回は笑った。いやほんとうに凄いものを考える人間がいるものだな……、と衝撃を受けた。
▼▼しかしまあ、伝説1、ほんとうにギリギリだったわけだけど、こんなバランスの冒険が、次も、その次も、続くのか? 楽しいけど、恐怖だな。わくわくするけどびびる。

アンドールの伝説 完全日本語版

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