《90点》嫌われ松子の一生

嫌われ松子の一生 通常版 [DVD]

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▼▼転落と堕落の一瞬の転換点「あの時こうしておけば……」を描いた物語は沢山見た経験がある。ので、転換点が多すぎて転換点に対する意識が変質してしまうぜ、と言えるような、異質で珍しい物語だ、と思った。驚いた。善意が空転し報われずに堕ちてゆく、という典型的状況でないのも、混乱と味わいを深めてる。複雑な話だ。
▼▼続編の小説版2と、アレンジ交えたテレビドラマ版が、見てみたくなった。
▼▼物語全体を解体分析して、話の肝を彫刻しよう、と試してみた時に、愛、っていう言葉を第一に持ってくるのは、若干違うような気がするな、という印象を覚えた。評判文を眺めていたら、愛を基準や切り口にした解析を──真実の愛の物語だと謳っているような言葉を、比較的沢山見かけたので、違和感覚えて、考えていた。確かにエピソードは、愛したかった愛されたかった、あたりを数多く活用していたかと思う。けど、終幕直前、川沿いを遡るようにして魅せたシーンでの雰囲気のほうが、強烈で、根底にあるよな、とも思ったのだった。同時に、愛ではない、と思った。愛はあの雰囲気を謳わないと思う。