駅構内の本屋/赤で買った

【1】零崎人識の人間関係 零崎双識との関係(西尾維新)

零崎人識の人間関係 零崎双識との関係 (講談社ノベルス)

零崎人識の人間関係 零崎双識との関係 (講談社ノベルス)

 ほんの小さなつむじ風が起こっただけで儚く崩れ落ちてしまいそうなほどに荒れ果てた、古ぼけた洋館だった。かつては荘厳な雰囲気を漂わせていたであろうその外観は今となってはまるで見る影もなく、周囲の景色ごとごっそり切り取られ、時の流れから取り残されているようでもあった。
 そんな洋館の一室で。
 二人の男女が向き合っていた。
「──悪くない」

▼▼零崎双識との人間関係な巻。人間シリーズ最後の四冊組、のうちの一冊で、読書来歴としては二冊目だ。零崎双識は零崎人識の兄貴である。零崎という名に「目覚める」ことは「家族を重く視る」のと同義なところがあるので、兄貴と「認めている」相手との人間関係は、まあ、軽く視てよいものではなくなる。みたいなところはあるかな。零崎双識は変態でもある。頻繁に変態だと形容されている。が、実際は変態というほどではないかなあと判断している。単に変な人であって、同時に極端にいい人でもあり、言うほど変態に特化してはいない、というか、変態だけで形容するにはほかの要素が強すぎる、みたいなところだ。至極自然体で優しく、かつ殺人鬼、という平衡感覚の人物でもある。▼▼零崎人識が一七歳の頃の物語。汀目俊希を脱却させられて──一般人から乖離させられて、諧謔的になっていたひどく暴虐的な時期の物語。戦闘の物語、でもある。対戦相手は呪い名の六人組。戦うことに長けている、ではなく「戦わないことに長けている呪い名」を相手取る。零崎双識巻を最終巻にする場合は、伊織→戯言→出夢→双識、という順序がおすすめのようだ。最新の物語から遡行していく推奨順序なのかなー? 若干違うか……。推奨順序通りに読むと最後の二冊だけが時代通りでなくなってしまうのだよな。