【1】ひと夏の経験値
- 作者: 秋口ぎぐる,濱元隆輔
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/08
- メディア: 文庫
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おれは思いきり弓を引きしぼり、弦から指を放した。
矢が解き放たれ、空を引き裂きながら飛んでいく。矢尻が飛竜の鼻面へと近づいていく。
だがだめだ。寸前のところでかわされてしまった。
飛竜は空中で身をよじった。そのまま勢いを殺さず、おれのほうへ螺旋を描きながら迫ってくる。
熱い鼻息を肌に感じた。
もう距離はほとんど離れていない。飛竜の背後には青々とした空が広がっている。その後方には太陽。
こんな状態で矢なんて当てられるわけがない。
飛竜がさらに身体を回転させる。
太陽の光がまともにおれの目を射た。▼▼複数名で対話および談笑しながら規定に則り物語を紡いでいく、なんて説明できる遊びがあって、いわゆるテーブルトークRPGという奴なのだけど、最近は触れてないけど相変わらず好きだなあとか時折思う。で、テーブルトークRPGを軸に据えた小説でしかも楽しいものがあるよ、と記憶していて、調べ直してみたら、絶版ぽくて慌てて買った。