世界は称賛に値する

日記を書きます

たま◇なま あなたは死にますか?(冬樹忍)

たま◇なま ~あなたは、死にますか?~ (HJ文庫 (ふ03-01-02))

たま◇なま ~あなたは、死にますか?~ (HJ文庫 (ふ03-01-02))

「明日な。今日は、仕上げの調整日って事で」
「知っているぞ。それはニートの発想だな」
 こいつはもう、口だけは本当に。
「明日という日は、永遠に来ないのだ」
──P.95

「ええと……暗いのが怖い……とか、……お化けが怖い……とか?」
「なぜ、暗いのが怖いんです? なぜ、お化けが怖いんです?」
──P.140

▼▼第二巻で全七巻のシリーズ。死生観を問うような世界観。楽しめた、とは言えると思う。けど一巻よりは若干弱るかなー。問いが単調になったのかなー? あるいは、問いが陳腐になったのかなー? なんて考えてみた。のだけど、違うような印象は強い。黒さが減ったせい、っていうのはあるかな、って思った。不安が減ったようだ、とか言えるだろう。が、若干だ。続きも読もうかなあ、って考えている。続きで問いは楽しくなっていくのかなー、っていう期待と不安が共存している感じだ。死生観をがしがし揺さぶって欲しい、みたいなことを期待しているのである。でも、難易度高そうだ、とも思うのだった。

「備忘録」

▼▼一章──「湖畔の情景」トイレ。炬燵。生理的欠乏が充足される快感。不完全な存在。完全への道が開かれた。あったかビーム。作戦行動において時間の遅延はそのまま作戦成功率に反比例します。知らない人に戦術論。対策室。アシカの生態。
▼▼二章──「死を思う」熱。不安。クリリン。白い人。破片を配っている。確認範囲では二人。恋人を殺して逃走中。殺人宝石。着替え。人間の生活を送らせる責任。規則正しい生活の大切さ。最後に勝つのはそういう力。お前の苦しみはわからない。人間は、死ぬ。理解したい。
▼▼三章──「輝く季節」白黒犬のぬいぐるみ。明日が来る保証。お前がぐらついているととても不安になる。旅行準備。七尾先輩。海。知っている。ワクワクしている。赤白犬のぬいぐるみ。ネゴシエイター・リカ。終わってしまったらもう二度と取り返せない。勝利のためには理解なんて大して必要ではない。重要なのはいつどのようにやるか。人の形をした水晶。恋人との思い出の場所。子供は何故泣くのだろう? 子供は絶望しているから──。忘れ方、誤魔化し方。葬式。
▼▼四章──「黒い窓の風景」耳掃除。ちゃんと生きる、のハードルは高い。旅行についての話し合い。ガイドブック。時間は経過する。約束されている。葬式。死んだ。参列者。怖い。寂しい。死ぬ? うそつき。ずっと一緒にいる、というなら──。
▼▼五章──「果て」夜の商店街。最初から知っていた。責任なんて取れない。自分のも、他人のも。投げ出したくない。担がなければいい。白い人。二回目の配布。配布用の破片。侵蝕してくる。おれが、ここで、死んだら──。配布終了。娘。
▼▼六章──「いずれ、そのうち」職業倫理。目の前の悲劇。人間として、人間のことに。迷ってる。あなたが何とかしなさい。ちゃんと生きて、ちゃんと見てきた。何に怯え、何を恐れているのか。そのうち、忘れてしまったもの。刃物を人に向けるな。風邪。意識。貸しは返して貰う。
▼▼エピローグ。直す。耳掃除の残り。写真。
▼▼あとがき。地獄絵図。

→《73点》