非論理的な人ための論理的な文章書き方入門(飯間浩明)

非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門 (ディスカヴァー携書)

非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門 (ディスカヴァー携書)

 考えの基本は、日本語の文章は、ごく大まかに「日記文」と「クイズ文」とに分けられるということです。すでに見たように、日記文は、事実の叙述を中心とする文章であり、クイズ文は、ある問題を設定して結論・理由を述べる文章です。
 このヒントになったのは、日本語の文が、助詞「は」の無いものと有るものとの二種類に分かれるという事実です。たとえば、「は」を使わない「太郎が財布を拾った」は、事実をそのまま述べる文です。一方、「は」を使う「太郎は財布を拾った」「財布は太郎が拾った」は、それぞれ「太郎はどうしたか?」「財布はだれが拾ったか?」と問題を出し、「財布を拾った」「太郎が拾った」と一つの結論を述べる文です。この二つの違いを文章レベルに広げれば、日記文とクイズ文の違いになります。
――おわりに

▼▼技術と技法。文章術。執筆術。論文指向である。問題・結論・理由、という区分けで構成される文を概念化して利用している。概念はクイズ文と呼ばれていて、対比する概念としては日記文が持ち出されている。日記文は水彩画で比喩されている。読み手の問題意識で読めばよい――読むしかない。日記文は事実と感想で成立している。問題・結論・理由、との対比。理由を説明してみせることで「問い」から「答え」まで思考を持っていく文章がクイズ文でありつまりクイズに類するものであるとも言える。理由とは「原理」のことだろう。理由を述べることの実際的な例として「嫌いなものと嫌いな理由を言ってもらう自己紹介」が紹介されていて実感できた。理由――反論が可能な理由と反論できない理由。主観的物差しが混じっていると駄目なようだ。物差しの目盛りが心情にあるような理由は駄目とも言える。説得力のある文章は、反論を呼び起こし、論破してゆく。訓練と練習のためのディベートが推奨されている。趣味や感想を一つに決め付けてしまうようなディベートはわりと駄目なもののようだ。規則の決定を論題に据えるのが妥当。各個人の好き好きで語れないものを論議することが適切。を踏まえて、資料と証拠を集め説得力を提示してみせる技術。判断材料を提出する手腕を問う。のがディベートである。具体例が結構多い。ので実感的に理解しやすい。技術としては有用だろうと思う。論理の理解には繋がらないかなー。背後には眠っているので活きてくることはあると思う。《82点》