じょうずな勉強法: こうすれば好きになる (心理学ジュニアライブラリ01)
- 作者: 麻柄啓一
- 出版社/メーカー: 北大路書房
- 発売日: 2002/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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図3の横顔をそれぞれ覚えるとき、みなさんはどういう方法を使いましたか。おそらく「ワクは団子鼻だ」とか「セエはおでこが広い」「ケイは女の子っぽい」のように特徴をとらえようとしたでしょう。これに対して図1の虫が這った跡の場合は、「鼻がこうだ」「おでこがどうだ」という特徴の押さえ方はできません。なぜならその部分は、鼻やおでこではないのですから。
どうやらここに違いがありそうです。私たちは人の顔の特徴のとらえ方を知っています。「鼻が(高い、低い、団子鼻だ、上を向いている……)」「目が(大きい、小さい、ぱっちり、細い……)」「全体の印象が(こわい、やさしい、女っぽい、男っぽい……)」などなどです。このようなとらえ方をすでに知識としてもっているわけです。ですから図3の顔に接すると、このようなとらえ方を使って、それにあてはめて見ているわけです。
これに対して、私たちは虫が這った跡のとらえ方をほとんどもっていません。「下のほうがなだらかな曲線になっている」とか「右にカーブしている」のようにしかとらえられません。同じ部分を「おでこが広い」とコンパクトにまとめてとらえるのとは大きな違いです。
――P.25