世界は称賛に値する

日記を書きます

とらドラ4!(竹宮ゆゆこ)

とらドラ! 4 (電撃文庫 た 20-6)

とらドラ! 4 (電撃文庫 た 20-6)

 ――寂しいかどうかなんて、考えたこともない。と。
「考えろよ。ちゃんと」
「……それ……つらくない?」
「打てる手があるなら、別につらくねえだろ」
――P.240

《★★★★》
▼単純なのほほんはあまり好んでいないようだ。複雑なのほほんってのが好きらしい。あと、暗みのあるのほほんにもよいなあと感じる。たぶん陰影が好きなんだろう。陰と光の境界が細かすぎてもう明るいんだか暗いんだかわからん、ってのもかなり楽しい。▼単純なのほほんなんだろーなー、と最初は想像していたのだけど、単純なのほほんじゃあないみたいだ、という雰囲気があったから――というか「苦悩と真剣なのほほんがあるぜ」と薦められたから、読んでみた。▼着手まで時間をかけてしまったなあ、とは思う。単純なのほほんに見えていたせいだろう。が、確かにまあ違った。強いて言うなら、単に展開がゆっくりすぎて間延びしていた、ということなんだと思う。シリーズ化がいくらか織り込み済みだったから何となくゆっくりだった、ってことなんだとも思う。おかげで、物語の陰影も時おり垣間見えるだけになっていた。陰が姿を少しずつしか見せていなかった。だから、躊躇して踏み込みが少し浅くなってしまった、という感じなのだろう。▼恋愛要素は副次的なものだろう、とはぼんやり感じる。ラブストーリーとかラブコメとか言われると、違うよね? と思ってしまうのは、だからだと思う。あんまりしっくりこない。第4巻まで読んだ今ではなおさらだ。だからこそ――と言ってしまうけど――だからこそ、楽しくなり始めた印象は確かにありますねー。苦悩とか真剣とかが根底で芽吹き始めたのがわかる。最初から要素はあったけどね……。嗜好の問題だとは思うけど、何にせよ、かなり好きな空気ではある。まあ、明日にでも続きを買うんじゃないかなー、とも思った。