ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

「名乗らない、正義の味方のおまえたち、本当に雅春が犯人だと信じているのなら、賭けてみろ。金じゃねえぞ、何か自分の人生にとって大事なものを賭けろ。おまえたちは今、それだけのことをやっているんだ。俺たちの人生を、勢いだけで潰す気だ。いいか、これがおまえたちの仕事だということは認める。仕事というのはそういうものだ。ただな、自分の仕事で他人の人生を台無しにするかもしれねえんだったら、覚悟はいるんだよ。バスの運転手も、ビルの設計士も、料理人もな、みんな最善の注意を払ってやってんだよ。なぜなら、他人の人生を背負ってるからだ。覚悟を持てよ」
――P.430

《★★★★★》大満足!
▼戦うことと勝つことは違う。無論戦う必要があることと勝つ必要があることも違う。戦う理由があることと勝つ理由があることも違うし、戦わざるをえないことと勝たざるをえないことも違うはずだろう。なんて意識してしまった。群を抜いておもしろかった。首相が爆弾で暗殺され、青柳雅春が殺害者として追われることになる。陰謀劇で逃走劇。緊張している。間違いなく素敵だった。緊張感が素敵だった。沢山は存在しないものだ、と感じた。同水準の緊張感はあまり発見できない、と現段階では判断している。逃走劇は敗色が濃く、まるで四面楚歌で、悲劇的絶望的な状況の中、しかし、否応なく戦いには巻き込まれてしまう。なんてことがやっぱり世界にはありえるはずなわけで、何もしない、というわけにはいかない。ならばどうするか、という問いが、この物語にはあった。のが、もう楽しくて、夢中だった、と言える。かなり好きになった。ほかも読んでみよう。