哲学の誤読 ――入試現代文で哲学する(入不二基義)

哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)

哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)

 もちろん、「誤読」には、初歩的なミスもあれば、見逃すことのできない致命的なものもあるし、さらに新たな読みの可能性を開いてくれる生産的な誤読もあるだろう。しかし、「何がどのように誤読なのか」をあらかじめ言うことなどできはしない。各文章に深く入り込んで、その内からそのつど個別的に考えるしかない。しかも、それが「誤読」であるのはなぜなのか、という理由といっしょにしなければ、どのような「誤読」なのかも見えてこない。それぞれの「誤読」の検討から、「哲学の文章を哲学的に読み思考することが、どのようなことか」について、その輪郭を少しでも浮かび上がらせたいと思う。「誤読」に注目することは、そのための補助線として役立つはずである。
――P.9