- 作者: 山口真美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/20
- メディア: 新書
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そしてもしも生まれてからずっと絵を見ないで育ったとしたら、その子はいったい絵を見ることができるのか? そんな疑問を解決しようと、少々乱暴な実験を試みた心理学者たちがいた。
絵や文字といった2次元の世界を一切見せないようにして、自分の子どもを2歳近くまで育てたのだ。アメリカの心理学者、ホックバーグとブルックスだ。小さい頃から絵本を与えず、車窓の外に見える看板ですら目にふれないよう、注意深く育てたのだ。この心理学者たちの苦労がどれほどだったか想像するにつけ、2次元世界は身近にあふれていることが改めて認識されよう。
さて、言葉も覚えたところで初めて絵を見せ、「これはなに?」と尋ねた。意外にも、生まれてからまったく絵を見たことがないにもかかわらず、その子はその絵が何を意味するか、正しく理解できたというのである。
――P.160
《★★★★》
[認知科学、実験心理学(絵画は惹句)][平面、立体、影、遠近法、ゲシュタルト、おおまか、顔、視力、色、盲目、図と地、形、ひとまとめ][ほんのわずかの物足りなさ]