世界は称賛に値する

日記を書きます

空とタマ(鈴木大輔)

空とタマ―Autumn Sky,Spring Fly (富士見ミステリー文庫)

空とタマ―Autumn Sky,Spring Fly (富士見ミステリー文庫)

《★★★★》

「んなこたわかりきってんだ。あいつはそんなこと言わねえし思わねえ。あいつはそういうやつだ。でもよ、それはやっぱちがうんだ。ちがうんだよ。それに、そういうやつだって分かってるから余計にイヤなんだよ。あいつがもっとイヤイヤな感じで面倒みるんなら、オレはもっと気楽にやれるんだ。オヤジがそういうつもりならオレもせいぜい利用してやるぜ、みたいな感じでさ。でもあいつはそうしない。わかっててもそうしない。いいか? わかっててもだぜ? あいつは、自分がどうすればオレが楽になれるかってのをちゃんとわかってるんだ。わかってても、あいつはぜったいそうしない。ウソでもフリでもそうしない。腹立つだろ? 腹立つんだよ。でもそれは、圧倒的に正しいんだ。それはとても正しいと思うんだよ」
――P.157

▼著書は初めて読んだ。ああもう終わっちゃうんだなあ、なんて、頁を繰る手を止めたくなった。というタイプの物語だったな、と認識している。あとあれだ。格好良かった。