世界は称賛に値する

日記を書きます

ありのすさび(佐藤正午)

ありのすさび (光文社文庫)

ありのすさび (光文社文庫)

 小説を書くようになってわかったのだが、男というものは何の足しにもならない。ただうっとうしいだけだ。僕のまわりにいる男性陣はと話を限るべきかもしれないけれど、まず揃いも揃って保守的だし、着る物およびユーモアのセンスに欠ける。長生きすること、定年後の生活設計にしか関心がない。小説のヒントになるような話をしてくれたためしがない。だいいち一年に一冊も小説を読まないのではないか。読まないなら読まないでいいから、せめて僕の本を買うだけでも買ってくれいいと思うのだがそれもしない。まったくふがいない。
――絵葉書