学ぶ意欲の心理学(市川伸一)

《★★★★★》

学ぶ意欲の心理学 (PHP新書)

学ぶ意欲の心理学 (PHP新書)

 この考え方を取り入れて、ドウェック(C.S.Dweck)という心理学者は、無気力に陥ってしまった子どもたちに再帰属訓練という方法で、学習意欲を持たせることに成功しています。二十五日間の訓練期間に、算数の問題を与えて解かせるのですが、「成功経験群」ではやさしい問題をたくさん与え自信をつけさせようとします。しかし「努力帰属群」では、やさしい問題とむずかしい問題の両方を与え、間違えてもそれは努力が足りなかったためであることを強調し、がんばってみようと励まします。そして、訓練期間が終わった後、失敗に対してどのような態度をとるかを比較しようというわけです。成功経験群の子どもたちは、むずかしい問題にあたって失敗するとそれを能力に帰属し、すぐにやる気を失ってしまう。要するにやさしい問題を解いて一時的に自信をつけても、すぐにくじけてしまうのです。それに対して、努力帰属群の子どもたちは、失敗しても根気強く学習を続けるようになり、結果的にはより高い成績をおさめるようになったというのです。
――P.39

▼影響は明らかにきをふしさんから受けた。評価を聞いて読んでみようと思ったのだ。と改めて記述しておこう。数多くの示唆があった。確かに市川先生と呼ぶに値するぜ、という称賛が可能だと思った。同じ著者の『考えることの科学』を読んだことがある。同じように衒うことなく称賛できる書物だった。学習に対する『動機付け』についての心理学的動向が描かれている。整理が巧みだ、と判断した。おおむね『賢い』と同義である。残念ながら学習行為はかなり好きだ。だから間違いなく有益な情報だった、と断言できる。意欲コントロールのための参考情報としては図抜けたものなのではないか、と思った。