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日記を書きます

ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則(ジェームズ・C・コリンズ)

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

P.14

 本書の執筆が最後の追い込みに入ったころ、わたしはコロラド州ボールダーの自宅のすぐ南にあるエルドラド・スプリングス・キャニオンの山道を走りに行った。上までのぼって大好きな休憩所で立ち止まり、まだ雪が残る丘陵をながめていたとき、奇妙な問いが頭に浮かんだ。いくら貰えれば、この本を出版しないことの代償として満足できるだろうかと。
 これは面白い思考実験だった。それまで五年間を、わたしはこの本の調査と執筆に費やしてきたのだから。出版を止める気持ちになる金額などありえないと考えたわけではないが、金額を引き上げていって一億ドルに達したとき、山を降りる時間になった。一億ドルをつまれても、本書を破棄しようとは思わない。