世界は称賛に値する

日記を書きます

訪れた日

 さすがに忙しかった、と言うべきだろう。新規店舗の開店初日だったのだ。思考領域にぼんやり浮かんだのは、きりきりまい、と、てんてこまい、という二つの単語だった。準備が完璧ではなかったな、と反省させられる機会が多かった。想定していなかった不備が複数見つかってしまったせいだ。致命的な失敗だった、なんて言うべきところまではいかなかったと思う。しかし、痛恨の失敗だった、と言うべきところまではいってしまったと思う。問題の存在箇所が物凄く基本的なところにあったからだ。至極簡単なことすらこなせなかったからこその『痛恨の失敗』だったわけである。要するに、至極簡単なことすらこなせなかった無能に痛みを感じてしまったのだった。もっと綿密な想像を可能にせねばな、と考える。アルバイト時代を含めるなら『開店』を経験するのはこれで三度目だ。まだ入社二年目の癖に妙に経験を積んだ人間になってしまったなあ、と思う。だが決して悪い状態ではあるまい、と思う。これを生かしていかなくてはな、と考えていた。