フルーツバスケット (19) (花とゆめCOMICS (2884))
- 作者: 高屋奈月
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2006/01/19
- メディア: コミック
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誰かを傷つけないとやっぱり駄目なのかなあ、と思う。誰かを一度でも傷つけた経験がないと、君を傷つけたくない、という想いには達することができないのだろうか、なんて思う。そして、たぶんそうなんだろうな、と思ってしまった。のは、私が『傷つけて後悔させられた経験』を、鮮烈な印象で認識しているからだなんだろうな、と考えていた。実際に『人を傷つけて後悔してしまったこと』の持つ鮮烈な印象が、傷つけたくない、という想いが存在している境地に気づかせてくれたのだ、なんて風に認識しているから、それ以外に、傷つけたくない、という想いまで辿り着く手段が思いつかない、わけだ。考えていたのは、フルーツバスケットの登場人物は、おおむね、この『誰かを傷つけて、もう傷つけたくない、と考える』壁を乗り越えてきてるんだよな、というようなことだった。そして、その『傷つけて、後悔した』経験を切実なものとして抱え、人生の糧、とか、成長の糧、としてきちんと消化しているように見える、というようなことでもあった。実際の問題として、それは、結構難しいことなのだろう、と思う。傷つけたことをちゃんと見つめることも、傷つけてしまったことを自分の責任として抱えることも、もうあなたを傷つけたりしないと心に誓うことも、どれもが難しいことばかりなのだ、と感じる。