世界は称賛に値する

日記を書きます

スウィートノベンバー

スウィート・ノベンバー 特別版 [DVD]

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 俺はこれでいいんだ、と思えないと人間は生きていけないようだ。ということを私は最近かなり頻繁に考えている。つまりは、自己肯定感が必要なんだ、という話だ。どこにそれを求めるか、は、無論それぞれ違うと思う。どこに求めれば正しい、ということもあるまいと思う。ただ、どこに求めればより安定した肯定感が得られるか、とか、どこに求めればより充実した肯定感を得られるか、というような疑問に対する答えならば、おそらくあるのだろう、と思っている。つまり、比較して『こちらのほうが良い』なら言える、と考えているわけだ。仕事に集中してがむしゃらに働くことを単なる『間違い』とし、家族や恋人によって穏やかな心に包まれることを単純に『正しい』とするような、浅はかで無遠慮な価値観には馴染めない。が、与えられた自己肯定感に埋没して我を忘れ、ほかのところにある自己肯定感に眼を向けられなくなった男が、今まで気づかなかったけどこっちのほうにより幸せな自己肯定感があったんだな、と気づく、という物語ならば、決して悪いものではない、と考えているわけだ。この自己肯定間は間違いだ、なんて身勝手な否定を行っているわけではないからだ。ただ、私にとってはそちらのほうが幸せだった。だから、そのことに気づけて幸せだった。というだけのことだからだ。こういった構造を持つ物語を、最近の私は大抵そんな思考とともに眺めている。安易な思索で人の幸せを踏みにじるのが嫌いだからだろう。仕事から幸せを得て何が悪い、とか思ってしまうのである。