国語について考える書物

 ここのところさすがに寒さが厳しくなってきてるなあ、なんて思いながら自転車を漕ぎ続けていた。朝からの勤務だった。たくさんの新入荷商品が納品されていた。さすがにこれは手伝わないと駄目かな、と判断する。休憩時間中に古本屋に立ち寄ってみた。本棚を眺め始めてすぐに、石原千秋氏の『国語教科書の思想』を見つけてしまった。即座に購入を決める。読む。冒頭部に書かれていたように、私もいつだかまでは、教科書には間違いなどない、と思っていたように思う。というか誤植に限らず、教科書というものの背後にも人間の意思があることすら想像できていなかったのだと思う。端的に完璧なものがそこにある、というようなことを思っていた気がする。そもそも、どんなものにも人間がかかわっている、ということに、きちんと意識が向くようになったのはいつからだったのだろう。どんなときでもそれを忘れることなく『もの』を見ることができるようになったのはいつからだったのだろう。結構最近になってからなんじゃないか、という印象がある。だから私は昔の自分を『馬鹿だった』とか思ってしまっているんだろうな、と思う。