シリーズ・哲学のエッセンス デイヴィドソン 言語なんて存在するのだろうか(森本浩一)

デイヴィドソン ?「言語」なんて存在するのだろうか シリーズ・哲学のエッセンス

デイヴィドソン ?「言語」なんて存在するのだろうか シリーズ・哲学のエッセンス

P.8

 言語を媒介にした他者の理解はどうやって成立するのでしょうか。そこに何らかの原理的なメカニズムといったものが存在するとすれば、それはどのようなものなのか。特に、いまの例からもわかるように、ある言語表現から理解されるものの中には、レヴェルの異なる複数の「意味」や「意図」が含まれているように思われます。そうだとすれば、それらの各部分はどのように関係し合っているのか。これは経験科学としての言語学においても、近年盛んに研究されているテーマですが、ここではもっぱら哲学的な観点からこうした問題にアプローチしてみたいと思います。そもそもわれわれが言語と呼んでいるものは何なのか、それを使用するコミュニケーションとはどのような出来事なのか。そうした原理的な問題を、ある哲学者の議論に沿いながら考えてみることが本書のテーマです。