世界は称賛に値する

日記を書きます

変わったり変わらなかったり

 携帯電話が震える。携帯電話を開く。遅いよ、という言葉が表示されていた。しょうがないなあ、と苦笑しながら電話をかける。もう駅だからすぐ行けるよ、と告げる。携帯電話を切る。思わず駆け出していた。目指すべきは『土間土間』という飲み屋だった。昔はなかった飲み屋だ。街を眺めてみる。五年もの間アルバイトに明け暮れていた街だ。二年もの間あまり顔を出さなくなっていた街だ。だから、知らない店も増えた。が、もちろん残っているところもたくさんあった。その変化と維持に、ちょっとおもしろいな、と笑うことができた。マツ嬢に会うのはそれなりにひさしぶりだった。嬉しく思う。マツ嬢とフミ嬢、という組み合わせは比較的珍しい、と言えた。マツ嬢の働く店舗にフミ嬢が顔を見せに行った、というのがコトの発端だったらしい。最近どうなのさ、というようなことを話す。気にしてしまっていることに気づいているなら、なんとかしようとしてみたほうがいいんじゃないか、というようなことも話す。抱える不満に気づいているのにわざわざ目を逸らしてストレスを溜めてしまう必要はないんじゃないか、という話だった。ひとしきり話して、フミ嬢を駅まで送って、歩きでいいなら送るよ、と提案する。頑張れって言葉は確かに安易だろうけど、でも、誰かを気遣う優しさなのは間違いないんだから、あんまり捻くれて受け取らないほうがいいんじゃないか、というようなことを話していた。そういえば車買ったんだ、という話を聞いた。ので、見せてもらった。軽く話し込む。