幻想を洞察する

 所詮は幻想に過ぎない、と指摘できる言葉や思考はたくさんある。かつてはそのことを知らなかった。けれど、今ならばそれを知っている、つもりだ。だから、所詮は幻想に過ぎない、という指摘には、短絡と陳腐以上のものを感じられなくなった。既知の事実だからだ。今さらあえて指摘するようなことではないからだ。だから、考えるべきは、なぜそういった幻想が存在するのか、なぜそういった幻想が誕生したのか、ということなのだと思う。そこまで考え尽くしてようやくその『幻想』を洞察したことになるのだと思う。