すべてで

 できる限りの高みを目指したい、と考えている。人生には職業とか学問とか肉体とか矜持とかがあって。あるいは、人間には権力とか知力とか体力とか心力とかがあって。そのうちのどれかが優れていればそれだけで満足してしまってかまわない、なんてことは実はなくて――。私は、できることならそういった人が持てるすべてのもので高みを目指していきたい、と考えているのだった。突き詰めればそういったものすべてを総合したものが私の人生だからだ。煎じ詰めればそういったものすべてを統合したものが私という存在だからだ。恣意的に人生を切り分けて、いくつかの断片を勝手に選んで、その中で高みを目指せばいい、なんて風には決して思えないからだ。つまり私は、自分のすべてを高めてみせたい、と考えているのだ。そして、いつか満足げに笑ってみたいと願っているのだ。