世界は称賛に値する

日記を書きます

身近な上級者の思考

 最近は『上達の法則‐効率のよい努力を科学する』という本を読んでいる。著者は岡本浩一氏。題名通りさまざまな『上達の法則』が語られている新書だ。その中に、上級者の行動を模倣してみることが上達に繋がる、という法則があった。上級者が持つスキーマや思考は、初級者の持つスキーマや思考とは違っている。鍛錬によって洗練されているからだ。その洗練が行動にも差異として現れている。だから、初心者は、上級者の行動を真似してみると良い。その模倣が時に、行為の奥に潜むスキーマや思考を垣間見せてくれるからだ。わずかでもいい。上級者のそういったスキーマや思考に触れてみることが、上達に繋がるのである。というような法則だった。上級者は考え方が違うのか、ということを考えたときに、ふと思い出したことがあった。友人ネコ氏のことだった。彼はゲームの類がわりとうまい。無論、強いと言い換えてもいい。上級者、という言葉からそのことを連想して、ふと、以前彼とカードゲームで対戦したときのことを思い出したのである。思い出したのは、戦いに対する彼と私の考え方の違いを意識させられた瞬間のことだった。彼は対戦中『できるだけ無駄な手を避ける』という思考で戦いに臨んでいて、私は『できるだけ有効な手を求める』という思考で戦いに臨んでいた。その違いを意識させられたことがあったのだ。彼は長期的視野で戦いを見つめており、私は短期的視野で戦いを見つめていた、と言ってもいい。おそらく彼の算段は、最終的には相手より上位に立っている、というところにあり、おそらく私の算段は、毎回相手より上位に立つ、というところにあったのだと思う。戦略としてはおそらく彼のもののほうが上級なのではないか、と思える。効果的な思考だと思えるからだ。盗む価値がある思考だ、とも思う。模倣してみよう。