世界は称賛に値する

日記を書きます

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ダウン・ツ・ヘヴン―Down to Heaven

ダウン・ツ・ヘヴン―Down to Heaven

▼空と戦闘機と子どもの物語。シリーズ三冊目。五冊構成になったらしい。雰囲気で読ませる物語だ、と私は認識している。それは、信仰も幻想もなく生きる子どもたちが語る言葉が作り出す、独特の雰囲気。空の自由を思わせる雰囲気。けれど、私たちは空には生きられない。最後には地上に縛られている。そういった空気もまたきちんと描かれた物語だと思う。装丁の美しさは特筆すべき。今の私が迷いなくハードカバーで買う唯一の作品。

小説の自由

小説の自由

▼小説家になりたい、なんて思っていたにもかかわらず、小説について真剣に考えたことが私はなかったのだと思う。少なくとも、この人に「私も考えていました」と言えるほどの真剣さはなかった。そのことを恥ずかしく思う。保坂和志氏は、ものすごくきちんと小説について考えている。そして、そのために真摯に小説を見つめている。素敵だ。しかしその分、感じる敗北感も大きい。真剣に考える、という行為を再認識させられた。