世界は称賛に値する

日記を書きます

▼もうひとつ思ったこと。念力を使って密室を作る、なんて聞くと、ズルイ、と思ったりする人もいるかもしれないが、この『念力密室!』を含むチョーモンインシリーズに関して言えば、その感想は全然当てはまらない。むしろ「滑稽の極みだ」と言いたくなってしまう。物語的にあまり焦点が当てられたことはないのだけど、まともに考えたら、念力を使って密室を作ったような人物たちは、自分の能力を特殊で稀少なものだと思っているはずだし、絶対バレるわけない、とまで考えていると思う。でも実際には、そのせいでバレてしまう。というかそれは、バレるどころの話ではないのだ。そもそも、犯人は、超能力が論理のブラックボックスになるからこそ、解かれることのない謎になるだろう、と考えているはずなのである。にもかかわらず、チョーモンインが絡んだ時点で、そこは最初からブラックボックスではない。むしろ逆に、そこだけが、完全無欠に解明されてしまっているのである。ものすごく高度なアリバイ工作をしたら、内実は不明なのにアリバイ工作したことだけはいきなり事実認定されてました、みたいな状況と言えよう。これを滑稽といわずしてなんと言うのか、みたいなことを少し考えたのだった。ずるいよな……。