世界は称賛に値する

日記を書きます

▼まだ読み終わってはいないのだが、現状で『試験に出るパズル』について私が意識するところについて、少し書いておこう。この物語に触れていて私が意識してしまうのは、物語に含まれる要素の割合について、だ。論理的とか数学的とか、まあそのあたりはどう表現してもいいのだが、最初にそういったパズルがひとつあって、それに肉付けしていく形で物語を構成することは、もちろん可能だろう。パズルが骨組み、というような形式である。そして逆に、物語があって、そこに、そういったパズルを(時には物語内の余興として)組み込んでいくことも、当然ながら可能と言えよう。物語、は、人間ドラマ、みたいな印象で定義してみると、わかりやすいかな、と思う。そうでもないかもだが……。要するに、すでに組まれた仕事の特徴に適合した人材を集めるか、人材に合わせて仕事を組むか、みたいな差である。印象としてこの本は、前者的な流れで構成されている、と推測している。著者は、このパズル的な物語をまず書こうと思い、そのために、八丁堀(ぴぃくんでもかまわないが)や千葉千波や慎之介を作り上げた、というわけだ。もちろん人間の思考は、そんな直線的なものではないから、実際には当然、フィードバックも並行処理も行われただろうが……。パズル七割、キャラクター三割、といった印象が、現状ではある。